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2008(平成20)年度通常総会

《環境問題》 私たちの世代は、自然環境を犠牲にした開発の上で、大変快適な生活をしています。その結果、二酸化炭素に代表される温室効果ガスが大量に大気中に放出され地球温暖化が進んでいます。現在と違って私たちの子どもの頃は、真夏に雨戸を閉めきって寝たり、冬には氷が張っていた日数が多くありました。地球温暖化が進んでいることは身を持って解ります。子供や孫等次の世代に、悪化した自然環境を押し付けることは許されません。私たちは、現在の自然環境をできるだけ良い状態で、次の世代に引き渡す責任があります。大量生産・大量消費・大量破棄を続ければ、廃棄物は収容できなくなり、やがて資源は枯渇してしまいます。社会の仕組みを循環型に代えて、地球に暮らす一人として、自然環境の保全と再生に参加して、自然環境と共存する持続可能な社会づくりをめざす必要があります。買い物ではレジ袋をもらわない、マイ箸を常に持ち歩く、車で移動する代わりに電車や自転車を使用する、食屑をできるだけ減らす等、環境負荷を軽減できることは、身近にたくさんあります。そのような取り組みが、資源やエネルギーの無駄使いを減らし、地球温暖化をくい止めることになります。
 また、次世代の子ども達は、子ども達自身が未来の地球環境を守って行かなければなりません。そのために、できるだけ早く地球環境について考え行動する人になって欲しく、私たちは、親子を対象とした体験型環境学習を実施しています。机の上で環境問題を学習することも必要ですが、実践体験活動を通して五感で感じる環境問題の啓発に取り組んで行くことが大事だと思います。

《森づくり》 木材生産と雇用対策として国策により戦後の拡大造林は、実施されました。農林業県である宮崎県は、積極的に拡大造林を進めてきました。そして、杉の人工林が宮崎県の森林の70%を占めるまでになりました。しかし現在は、木材供給としての伐採時期の重なりと木材輸入の自由化とで、木材価格が低迷しています。当時杉の植林をした林業事業者は高齢化し、杉の森林の整備が難しくなり、利益の上がらない林業には、若い世代が仕事として就くことを拒む状況となってきています。また、保安林となっている杉の森林は、杉を伐採したら、次の木を植樹しなければなりません。木の伐採で僅かに得た収益は、木の植樹により無くなります。杉の森林は間伐等の手入れが行き届かなくなり、荒れた森林となります。そのような森林は、災害に弱く、地球温暖化の影響により大型化した台風や局地的な大雨によって、山の崩壊が誘発され、大量の杉等の木が川へ流され、そして海へと運ばれていきます。今後も、このような状況が続いて行くのではと心配されます。
 私たちは、間伐された杉林で腐葉土がまったく無かった場所に、腐葉土を形成して緑のダムにするため広葉樹を植樹して、杉と広葉樹が混交する森づくりをめざして、平成18年3月に、400本の広葉樹(センダン・イチイガシ・ホルトノキ・スダジイ・ヤマボウシ・ヤマモモ・イロハモミジ等)の苗木を植樹しました。また、数年前の台風によって、崩壊した山斜面に植林されていた杉が倒され、無立木状態となっている場所に、自然環境の復元を図り水源の涵養や災害防止など森林機能の再生を実現するために、平成19年3月に、140本の広葉樹(ケヤキ、ヤマザクラ、イロハモミジ等)を植樹しました。