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2006(平成18)年度通常総会

 2005年は、台風14号によって山間部に降った大雨が引き起こした大きな災害がありました。河川上流から流されてきた杉を中心とした流木は、重機が入ることのできない海岸においては、今も片付けられずそのまま放置状態となっています。TRの五ヶ瀬川に架かる鉄橋の崩壊によりTR運行営業が断念となり、地域沿線の人々の足が奪われました。また、北方町等の地域では、河川堤防を越える増水で、床上浸水した家屋が多数あり、現在も仮設住宅等で不自由な生活している人たちが居ます。  宮崎県の森林の7割近くは杉で被われていますが、そのすべてが健全に保全されてはいません。また、地球温暖化の影響で台風による雨が、局地的に大雨になるとも言われています。森林が多くの広葉樹で被われて、杉の山が健全であって、地球温暖化がなければ、台風14号による災害は起きていなかったかもしれません。  森林の生い茂っている樹木からは、大量の落葉がでます。落葉からは腐葉土が作られます。腐葉土は、降った雨をしばらく山に貯水します。その貯水された水はゆっくりと地下に浸透して、それから河川に流れ出ていきます。つまり、大雨が降っても急に河川が氾濫しないように天然のダムの役目をしてくれています。森林の環境破壊などで、このシステムが壊れることによって、山間部で降った大雨は、貯水されることなく河川に流れ出ます。そうすると下流の河川が洪水を起こすことになります。森林環境の保全は、大雨による災害の抑制にも役立っていくはずです。  私たちは森林環境を中心とした活動を通して、環境のメカニズムがとても大切なことだと学びました。環境を守る取り組みは、行政や人任せではなく、自分たちで実践していく必要があると感じました。私たちのやれる事や地域は地球規模においては微小ですが、すこしでも良い環境を残すためには必要な事だと思います。このことは、次の世代を担っていく子どもたちへ、環境教育を通して伝えていかなくてはなりません。