(活動報告、収支報告、財産目録など)>2023年度
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1.事業の成果

@ 環境プログラム(春を楽しもう)を開催することで、里山等の自然体験交流と自然環境を理解してもらうための啓発活動ができた。
A 県北地域の親子が、10カ月間を通して自然環境を考える体験型環境学習(四季をまるごと体験ecoスクール)で、より深く多面的に自然環境を理解してもらう啓発活動ができた。
B 耕作放棄の田んぼを復活させて田んぼの働きを戻し、里山の自然景観を守り、そして、大切なものがたくさんあり存在する魅力や価値を後世に繋ぐ活動ができた。
C 環境文庫(森の学舎)にて、森の学舎の土日活用と環境問題全般を学習できる場を提供することができた。 D Webページ、FacebookとInstagramにより、活動の情報発信と環境問題の啓発活動ができた。

2.事業内容(特定非営利活動に係る事業)

(1) 農林漁業などの産業体験や里山等の自然体験交流事業

@ 四季をまるごと体験ecoスクール(第13期)食卓に並ぶパンが、麦畑作り・小麦粉作り、塩・バター・酵母、パン焼きまでの一連の作業を通して、たくさんの人の手を経て作られるのを知り、収穫した麦から自分たちでパン焼きをすることで食べ物の大切さを実感してもらえたと思います。また、輸入食材でなく地域で作られる食材の方が地球環境に低負荷であることを知り、生き物調べ、河川清掃を通して、自然環境を大事にする心を、体験を通して学び、それぞれ自分ができるecoなことを考えてもらうことができました。
・実施場所:森の学舎、ecoスクール麦畑、森の学舎周辺、五十鈴川・参 加 者:14家族28人(内小学校3年生〜6年生は15人)・参加者学校:南方小学校、檍北小学校、東小学校、緑ヶ丘小学校、大王谷学園初等部、土々呂小学校、緑ヶ丘小学校、延岡小学校、岡富小学校、西小学校、日知屋小学校、財光寺南小学校、富高小学校
・スタッフ:6人
・後   援:宮崎県、宮崎県教育委員会、延岡市教育委員会、日向市教育委員会、門川町教育委員会・助 成 等:子どもゆめ基金・内   容:地域の小学生とその保護者に対して、四季を通した自然体験や農業体験から自然の大切さを理解し将来の自然環境の守り手に育ってもらうために、10カ月の期間を通して同一参加者で下記のプログラムを実施しました。

A 休耕田復活プロジェクト耕作放棄の田んぼを復活させて田んぼの働き(作物が育ちやすい土作り、水をきれいにする、上流の森林の豊かな資源の有効活用、周りの気温や湿度を守る、地下水の量を一定に保つ、洪水や土砂崩れを防ぐ、いろいろな生物が住む「家」の働き)を戻し、里山の自然景観を守り、存在する魅力や価値を後世に繋いで行く活動です。一昨年までの2年間、松瀬地区の休耕田を田んぼに戻してきましたが、昨年度は田んぼの持ち主が田んぼを貸すことを拒んだため、2024年度から取り組む予定だった北郷黒木地区の休耕田を、1年前倒しで復活しました。北郷黒木地区の休耕田も松瀬の休耕田と同じように、セイタカアワダチソウ等の背の高い雑草が増殖しはじめ、著しく自然景観が悪くなっていました。これまでと同じように、休耕田を元の田んぼに戻し無農薬で人の手作業による米作り体験の場(作付け約120u)としました。前年と同様に参加者を募って、田植え(もち米)、草取り、稲刈り、脱穀、そして餅つきをして食べるまでの節目の作業を体験実施して行きました。地元農家の方の協力を受けて、12人の参加者と12人のボランティア及びスタッフで活動を進めました。
・実施場所:北郷黒木地区の耕作放棄の田んぼ
・助 成 等:九州ろうきんNPO助成・実施日と内容

B 椎茸ホダ木の管理(ほだ場作業)2019年度の四季をまるごと体験ecoスクールでコマ打ち(植菌)した原木に、少量の椎茸が発生し収穫をしました。原木が朽ちてしまっているので、今年度からの椎茸の収穫は見込めません。

(2)中山間地の荒廃した里山の環境保全再生事業

@ 子どもの森1号地(杉と広葉樹の混交林)2006年3月に400本を植樹した子どもの森1号地は、苗木も大きくなり下草刈の必要がなくなり、センダンの樹高は3mをはるかに超え、その他の樹木も人間の背丈よりもすいぶんと高くなっています。現在は、自然本来の再生能力に委ね人による手入れを行っていません。

A GOCANの森(門川高校演習林災害跡の再生)門川高校生と協働して実施した森林の再生活動(2007年3月に植樹、2013年3月に補植樹)をした門川高校実習林の苗木が大きくなり下草刈の必要がなく、ケヤキの樹高は3m以上になり、ヤマザクラは花を咲かせています。現在は、子どもの森1号地と同様に自然本来の再生能力に委ね人による手入れを行っていません。

B 妖精の森(放置竹林の広葉樹林への復元活動)手入れがされず放置されている竹林(森の学舎裏の竹林)を、雑木林に再生し人や動植物にやさしい自然環境と水源かん養や災害の防止など森林の公益的機能の維持増進を図るために、2009年度から継続して竹の伐採を続けてきました。これまで伐採した竹林の面積は約0.2haを超え予定していた範囲の伐採は、2016年度に終了しています。2023年度は、3月9日に伐採跡地に生えていた竹の伐採を行いました。

C お地蔵さんの森(森林と水辺の体験型環境学習の森づくり活動)放置されている里山を整備して体験型環境学習の広場作りを、2019年から実施しています。森林の体験型環境学習のため広場を整備し、水辺の体験型環境学習で活用するために松瀬川(五十鈴川支流)への昇降道も整備しています。

(3)地域の自然環境などを理解してもらうための啓発活動

@ 野草を活用した自然体験交流(春を楽しもう)自然を親しみ、自然の豊かさ・大切さを学ぶ活動です。山菜・野草観察を食べる分だけ摘んで参加者とスタッフが一緒に調理していきます。自分の足元から春を感じ、自然環境を考えていきます。野山に限らず身近なところにも食べられる野草が自生していることを知り、緊急時でも食料の確保ができることも体感します。朝から終日まで雨が降っていて、参加キャンセルも多くあり、やや寂しい感じがありました。少ない参加者でゆっくりとじっくりと観察と調理を進めることができました。なお、指導をお願いしていた成迫平五郎氏が、新型コロナに感染したため参加できず、急遽横山純子理事が、野草の観察を担当しました。
・活動の目的:人間を含む生き物すべてが自然の中で育まれているので、地球環境を大事にする気持ちを高めて欲しい。そのために、春になって野草の芽吹きに触れ自然環境に関心・興味を持ってもらうプログラムとして、野草の収穫と調理して食する活動を実施する。・活動の成果:子どもたちとその保護者が、ふだんの生活では気づくことができない身近かな食べることができる野草の観察と調理して食することを通して、地球規模ではなく自分の足元にある自然の恩恵と大切さを実感できた。そして、自然環境を守るために必要な自分ができることを考えるきっかけづくりができた。自然を大切に守ろうと思う心の芽生えは、子どもたちの健全育成に大きな影響をあたえることができた。
・実施日:2024年3月24日
・参加者:子ども7人(内幼児2人)、保護者7人
・スタッフ:7人
・講   師:横山純子(会員、宮崎県環境保全アドバイザー)・後   援:宮崎県、宮崎県教育委員会・助 成 等:子どもゆめ基金・内   容:野草の観察と収穫、野草調理(餃子、天ぷら、白和え、おひたし、ピザ)・準備(3/23):会場になる教室の掃除、竹林整備で伐採した竹を活用した手水舎(てみずしゃ)制作、管理棟と教室棟の渡りの修理、他

(4)地場産業の振興、街づくり、人づくり
地域のサードプレイス(環境学習の教室、日常的に大人や子どもが集まる処、防災時の補助的な避難所、地域の農産物販売所など多様な利用方法があると思われます)として、美郷町北郷黒木にある築116年の古民家を再生し活用するための費用を調達するために、認定NPO法人の申請をしました。この古民家は、柱や床などがシロアリ被害でよって、家全体が歪んでいます。再生が可能なのかを業者による家屋調査を実施し、再生可能であるとの調査結果がでました。また、前住人がそのままに放置していた荷物や家具のかたづけと、朽ちて崩れていた納屋の撤去も終了しました。一昨年から本格的に古民家再生を開始できる状態になっています。しかし、諸理由により資金の調達ができずに、昨年度は何もできませんでした。今年度は、何らかの補助金とクラウドファンディングを模索していきたいと思います。

(5)市民活動の活性化に関わる企画、コーディネート事業

@ 地域コミュニティーによる耕作放棄地の活用と生活困窮者の支援
 食料の生産、共有、消費の方法を考え直す時が来ています。農林水産業は適切に機能すれば、すべての人に栄養豊富な食料を提供し、農村開発を支え環境を守ることができます。一般参加者や地域住民と一緒になって耕作放棄された田畑を活用した米作りや野菜栽培などを通して考え、地球環境に負荷をかけないで自分たちにできる取組への気づきを促し里山や中山間地域の自然景観を復元し、その魅力を発信させることができます。また、地域活性化のために6次産業を生み出し、生産した農産物の一部は生活困窮者の支援にあてることもできます。耕作放棄地の復元作業において身体の負担をできるだけ軽減するために、マイクロショベルカーを連合愛のカンパで購入することができました。当初は、休耕田復活プロジェクトでマイクロショベルカーを活用する予定でしたが、連合愛のカンパの助成決定タイミングとマイクロショベルカー納期時期との関係から、マイクロショベルカーが12月末に納車されました。先ずは、次年度計画している休耕田の復元でマイクロショベルカーが使用できました。耕作放棄された田んぼは、丈の高い雑草が密生し、小さな木もまばらに生え、かつての田んぼの面影などまったく感じられない荒地となっています。まずは生い茂るセイタカアワダチソウなどの雑草を刈り払うところから始め、低木を切り倒して伐根もしなければなりません。草刈り機やチェーンソー等を使って、草刈りや低木の切り倒しを進めていきました。整地された休耕田は、休耕田復活プロジェクトで、活用しています。

(6)活動の情報発信・啓発のための事業

@ SNSの運用
・実施時期:4月〜2024年3月
・概  要:子どもの森のすべての活動と自然環境啓発等を、月平均3回程度のWebページ更新、facebookへは年間13回、instagramへは年間12回の投稿・情報発信をおこないました。

A 機関紙の発行 発行時期が遅れましたが、A4で12ページの子どもの森通信20号を12月に発行できました。

B 案内チラシの作成
・実施時期:各プログラムの開催1カ月〜2カ月前
・概  要:宮崎県や宮崎県教育委員会等の後援をもらい、それぞれのプログラムの参加者募集チラシを作成し、主に県北の図書館や近隣のスーパー等に置いていただきました。また、Webページからもダウンロードできるようにもしました。他の参加者募集の方法として、SNSの活用と地元新聞社(夕刊デイリー、宮崎日々新聞)への掲載もお願いしました。四季をまるごと体験ecoスクールの参加者募集チラシは、延岡市・日向市・門川町の教育委員会から後援をもらい、県北一円の小学校の3年生から6年生に、延岡市・日向市・門川町の教育委員会を経由して約7500部を配布しました。美郷町の小学校は、持ち込みをしました。昨年度は、初めて地元フリーペーパーのKIREI(2024年2月号と3月号)に、「春を楽しもう」の広告を掲載しました。

(7)その他目的を達成するために必要な事業

@ 黄色いレシートキャンペーン(8月11日)参加者:横山理事長、横山純子理事、加納理事イオン日向店にて、キャンペーンの普及発展と子どもの森のPRをおこないました。今回でキャンペーンの参加が11回目となりました。支援を続けてもらっている店舗への感謝と、お客様に黄色いレシートを子どもの森に投函してもらい、子どもの森の活動を地域に知ってもらうのが目的です。 レシート金額の1%相当額が、活動のために必要な消耗品などの商品がイオン・グループ店舗において寄贈されます。子どもの森は、2006年から18年間で、約129万円を寄贈してもらっています。イオンの黄色いレシートで、子どもの森の応援をしてくださっている皆様に感謝します。

A 森の学舎の整備森の学舎グランドと周辺の草刈りを、5月1日、2日、3日、4日、7月2日、4日も、延べ21人の参加者(会員)で実施しました。

B 森の学舎の訪問者年間に22人の訪問者があり、横山理事が、必要に応じて訪問者に子どもの森と森の学舎の説明をおこないました。少ない訪問者ではありましたが、子どもの森の理解を進めることができたと思います。

C ビオトープヘイケホタルが生息しており5月末になるとホタルが舞うのを見ることができました。地区の集会場の水タンクでオーバーフローした水を引いてきていますので、大雨等が原因で水源からの水が止まり、水が流れてこないことが数回ありました。その都度、水源を見に行ったり、地区の関係者の方に連絡をして、対処してきました。

3.寄附金・助成金等

(1)子どもゆめ基金(国立青少年教育振興機構) @ 四季をまるごと体験ecoスクール(第13期)の事業費577.5千円(ボランティア評価除く)に対して、参加費収入が140.0千円と447.9千円の助成を受ける予定です。 A 春を楽しもうの事業費113.9千円(ボランティア評価除く)に対して、参加費収入が13.0千円と112.8千円の助成を受ける予定です。

(2)九州ろうきんNPO助成休耕田復活プロジェクトの事業費186.1千円(ボランティア評価除く)に対して、参加費収入が18.0千円と350.0千円の助成を受けました。

(3)連合愛のカンパ休耕田復活プロジェクトと併用で進めている「地域コミュニティーによる耕作放棄地の活用と生活困窮者の支援」で休耕田復元や原野整備を軽減するためのマイクロショベルカー購入費(1,999,999円)に対して、400.0千円の助成を受けました。他、費用として8.4千円の支出がありました。

(4)イオン黄色いレシートキャンペーン
黄色いレシートキャンペーンの投函箱を、イオン日向店に設置しています。投函されたレシート金額の1%が団体に商品券で寄贈されます。2023年度は、21.6千円の商品券が寄贈されました。

(5)ろうきんNPO寄附
預金者が応援したいNPO法人へ、希望する金額を希望する日に、預金者に代わって普通預金口座から寄附先団体の口座に自動振替する制度で、1回の寄附額は100円以上(100円単位)です。3名の方から計12.0千円の寄附がありました。

(6)他寄附
横山理事長の各プログラムでの人件費他(49.0千円)と、鵜戸副理事長から1.0千円の寄附がありました。

4.その他

(1)みやざき森づくりボランティア協議会
横山理事長が、協議会の理事に就任しています。6月18日に総会が開催され、横山理事長と鵜戸副理事長が出席しました。この総会から、横山理事長が、協議会の副会長に選任されました。 @7月16日に椿ボランティア会(椿山公園)による椿と紫陽花の挿し木講習会、A8月20日にロキシーヒルフィールドでの椎茸原木の本伏せ、B10月22日に森の学舎での救命救急法の研修会が開催されました。 @挿し木講習会には、横山理事長と横山理事、A椎茸原木の本伏せには、横山理事長と横山理事・加納理事、B救命救急法の研修会には、横山理事長と横山理事・加納理事・井澤理事が参加しています。

(2)認定NPOの取得多額の費用が必要となる活動の資金調達を目的としての認定NPOの取得について、2020年8月28日付けで取得が完了しました。認定有効期限は、2025(令和7)年8月27日までの5年間になります。認定NPO法人に寄付をすると、寄付額が所得税の寄附金控除になりますので、寄付を集めやすい環境が整っています。

(3)九州の食育のひろば
 九州農政局ホームページの「九州の食育のひろば」に、「四季をまるごと体験ecoスクール(麦の一連の活動)と「休耕田復活プロジェクト」が食育の一環として紹介されました。 3月7日に、活動内容の聞き取りに、担当者2名が森の学舎に訪問しました。聞き取りは、横山理事が対応しました。(https://www.maff.go.jp/kyusyu/syohianzen/hiroba/island/img/190510.html

(4)助成元団体への報告発表

@ 連合愛のカンパ  11月21日に、日本労働組合総連合会宮崎県連合会(連合宮崎)による「連合愛のカンパ」の助成式がおこなわれました。横山理事が出席し、贈呈のお礼、労働組合員の助成金原資の拠出に感謝し、次年度以降も活動を継続していきたいと報告発表をおこないました。
 助成団体:こども未来応援団体タテヨコナナメ、宮崎県わけもん防災ネットワーク、NPO法人フードバンク日向、宮崎高校生平和活動支援センター、NPO法人子どもの森、NPO法人ぼくんちへおいでよ

A 九州ろうきんNPO助成フォーラム
 2月9日に、2023年度に受けた「九州ろうきんNPO助成」の活動団体発表と次年度助成先への助成金贈与のフォーラムに参加しました。横山理事長が、助成を受けて実施した「休耕田復元プロジェクト」の報告を行いました。
2023年度助成団体:特定非営利活動法人子どもの森、特定非営利活動法人子ども未来STELLA、紙芝 居まねきねこの会、特定非営利活動法人ぼくんちへおいでよ、一般社団法人ハートスペースみやざき、NPO法人SUNクラブひまわり