(活動報告、収支報告、財産目録など)>2020年度
 >活動経過報告

1.事業の成果

@ 環境プログラム(昆虫と友だちになろう、森であそぼう、春を楽しもう)を開催することで、里山等の自然体験交流と自然環境を理解してもらうための啓発活動ができた。
A県北地域の親子が、10カ月間を通して自然環境を考える体験型環境学習(四季をまるごと体験ecoスクール)で、より深く多面的に自然環境を理解してもらう啓発活動ができた。
B 環境文庫(森の学舎)にて、森の学舎の土日活用と環境問題全般を学習できる場を提供することができた。
C 放置されている里山を整備して体験型環境学習の広場作り(次年度以降も継続)の実施にて、森林環境の保全活動ができた。
D Webページとfacebookにより、活動の情報発信と環境問題の啓発活動ができた。

2.事業内容(特定非営利活動に係る事業)

(1)農林漁業などの産業体験や里山等の自然体験交流事業
@ 四季をまるごと体験ecoスクール(第10期)
・実 施 日:5月16日(スタッフのみ)、5月30日、7月18日、8月1日、9月5日、11月14日、12月12日
(2021年)1月23日、2月13日 計9日間
・実施場所:森の学舎、ecoスクール麦畑、五十鈴川
・参 加 者:12家族25人(内小学校3年生〜6年生は14人)
・スタッフ:延べ7人
・後  援:宮崎県、宮崎県教育委員会、延岡市教育委員会、日向市教育委員会、門川町教育委員会
・助 成 等:子どもゆめ基金
・内  容:地域の小学生とその保護者に対して、四季を通した自然体験や農業体験から自然の大切さを理解し将来の自然環境の守り手に育ってもらうために、10カ月の期間を通して、同じ参加者によるスクール形式で下記のことを実施した。
1) 麦の脱穀
2) イカダを作り、川下りによる河川清掃
3) 川の生きもの調査、ビオトープの観察
4) ネイチャーゲーム
5) 樹木の二酸化炭素吸収量の計算
6) 麦畑づくり、麦種播き、麦踏み
7) ネイチャー工作
8) 海水を使っての塩づくりとニガリ採取
9) 石臼による小麦挽き
10)パンづくり(イチゴ酵母とバター作り含む)

スタッフが、各回に実施する内容の準備や後片付け等を下記の通り行った。
5月16日:麦刈り
5月24日:麦脱穀の準備
6月27日、28日:イカダの試作
7月25日、31日:イカダを川へ降ろし上げるための歩道整備
8月23日:試ソーラークッキング、ネイチャーゲームの下見
10月15日:海水の汲みあげ
1日17日:4個の石臼のメンテナンス、塩作り用かまどを5カ所設置

第1回(5月16日)は、新型コロナウイルス感染拡大防止対策により中止したので、スタッフだけで麦刈りを実施した。

A 椎茸ホダ木の管理(ほだ場作業)
一昨年(2019)度の四季をまるごと体験ecoスクールでコマ打ち(植菌)して仮伏せから本伏せにした原木から、若干の椎茸収穫ができました。収穫した椎茸は、森の学舎での活動にて、味噌汁の具材として活用した。

(2)中山間地の荒廃した里山の環境保全再生事業
@ 子どもの森1号地(杉と広葉樹の混交林)
2006年3月に400本を植樹した子どもの森1号地は、苗木も大きくなり下草刈の必要がなくなり、センダンの樹高は3m以上になっていて、その他種の樹木も人間の背丈よりも高くなっている。現在は、自然本来の再生能力に委ね人による手入れを行っていない。

A GOCANの森(門川高校演習林災害跡の再生)
門川高校生と協働して実施した森林の再生活動(2007年3月に植樹、2013年3月に補植樹)をした門川高校実習林の苗木が大きくなり下草刈の必要がなく、ケヤキの樹高は3m近くなり、ヤマザクラは花を咲かせている。現在は、子どもの森1号地と同様に自然本来の再生能力に委ね人による手入れを行っていない。

B 妖精の森(放置竹林の広葉樹林への復元活動)
手入れがされず放置されている竹林(森の学舎裏の竹林)を、雑木林に再生し、人や動植物にやさしい自然環境と水源かん養や災害の防止など森林の公益的機能の維持増進を図るために、2009年度から継続して竹の伐採を続けていた。これまで伐採した竹林の面積は約0.2haを超え予定していた範囲の伐採は、2016年度に終了した。当年(2020年)は、2021年2月23日に伐採跡地に生えていた竹の伐採を行った。

C お地蔵さんの森(森林と水辺の体験型環境学習の森づくり活動)
活動概要:1) 体験型環境学習の広場作り(数年かけて実施し、森林の体験型環境学習に活用)。
2) 樹木伐採や枝打ち等を行いフィールドへの登降道の整備。
参加者:延べ34人
活動日と内容:6/7 お地蔵さんの森と松瀬川の中間にある廃道の整備
7/5 松瀬川に降りるための道予定地の草刈りと低木伐採
9/20 松瀬川に降りるための道作り
10/4  同 上
10/24  同 上
12/20 お地蔵さんの森と松瀬川の中間にある廃道の整備
2/7 成迫先生を招いて樹木の調査、樹木プレートの設置

(3)地域の自然環境などを理解してもらうための啓発活動
@ 森を活用した自然体験交流(昆虫と友だちになろう)
・実 施 日:10月18日
・実施場所:森の学舎
・参 加 者:子ども=5人、付き添い保護者=2人
・スタッフ:5人
・講  師:新開孝氏(昆虫写真家、昆虫図鑑・絵本著者)
・後  援:宮崎県、宮崎県教育委員会
・助 成 等:子どもゆめ基金
・取  材:ケーブルTVワイワイ
・内  容:新開さんの案内で、昆虫を探しながら森の学舎周辺を散策した。写真撮影にむいている昆虫が見つかったら、新開さんから昆虫の名前や特徴の説明があった。森の学舎グランド→東側道路周辺へと散策して、昆虫の観察と写真撮影を行った。昼食後、プロジェクタで子どもたちが撮影した昆虫写真を、スライドショーで順次表示して新開さんが個別評論と総評をした。後日に、参加者各自のお気に入りの写真は、事務局より郵送した。
・準  備:(10月17日)撮影した写真をみるために部屋に椅子とプロジェクト等のセッティング
教室他の清掃
講師の新開さんと一緒に下見(昆虫写真撮影)

A 竹とドングリを活用した自然体験交流(森であそぼう)
・実 施 日:11月29日
・実施場所:森の学舎
・参 加 者:27人(内子どもは16人)
・スタッフ:5人(指導者含む)
・後  援:宮崎県、宮崎県教育委員会
・助 成 等:子どもゆめ基金
・内  容:竹を玉きりにして節を利用したポットに、腐葉土を入れてドングリを植える。竹のポットは、参加者が自宅で苗木に育て2年後に山へ戻す。樹木が私たちの生活において排出された二酸化炭素を吸収し私たちの生活に必要な酸素を供給してくれていること理解した。
 化石燃料を節約するために薪や炭を使い、飯盒で炊飯をして、ソーセージ生地を竹串に巻いて炙り焼きにした。屋外でのクッキングを通して自然の中に育まれていることを実感しました。他に、竹でマイ箸作りも体験した。
市販されている玩具でなく、木枝・葉・ドングリ等で工作をして、身近にある自然物で楽しく遊べることを実感する体験で、市販している玩具は、エネルギーを多く使って作られているが、自分で工夫するネイチャークラフトは、少ないエネルギーで作ることができ、そのことが地球環境への負荷を軽減できることも知ってもらった。

B 野草を活用した自然体験交流(春を楽しもう)
・実 施 日:2021年3月21日
・参 加 者:子ども15人(内幼児2人)、大人10人
・スタッフ:7人(指導者含む)
・講  師:成迫平五郎氏(宮崎県環境保全アドバイザー)
・後  援:宮崎県、宮崎県教育委員会
・助 成 等:子どもゆめ基金
・内  容:野草の観察と収穫、野草調理(餃子、天ぷら、白和え、おひたし、ピザ)
五感をつかって、自然と親しみ、自然の豊かさ・大切さを学ぶ活動で、野草観察で食べる分だけ摘んで調理した。自分の足元から春を感じ、自然環境を考えてもらった。
・準  備:(2月7日)野草を収穫する休耕田草刈り後の草寄せ
(3月14日)下見、ピザ焼き窯の準備、試野草調理

(4)市民活動の活性化に関わる企画、コーディネート事業
12月20日に、「かどがわ演劇の広場」の劇団員が、森の学舎にてネイチャー工作と野外昼食を行った。ネイチャー工作は、横山純子理事によるワークショップで実施した。
「かどがわ演劇の広場」は、廃校になった西門川小学校松瀬分校をモチーフにした作品の発表公演(3月20日)するにあたり、演劇のイメージをつけるための演技者の森の学舎への訪問だった。

(5)活動の情報発信・啓発のための事業
@ Webサイトとfacebookの運営
・実施時期:4月〜2021年3月
・概  要:子どもの森のすべての活動と自然環境啓発等を、月平均2.5回(年計32回)のWebページ更新にて情報発信した。Facebookへは、年間10回の投稿を行った。

A 機関紙の発行
 発行できなかった。

B 案内チラシの作成
・実施時期:各プログラムの開催1カ月〜3カ月前
・概  要:宮崎県や宮崎県教育委員会等の後援をもらい、それぞれのプログラムの参加者募集チラシを作成した。主に県北の図書館や近隣のスーパー等においてもらった。また、Webページからもダウンロードできるようにした。他の参加者募集の方法として、facebookと地元新聞社(夕刊デイリー、宮崎日々新聞)への掲載をお願いした。
四季をまるごと体験ecoスクールの参加者募集チラシは、延岡市・日向市・門川町の教育委員会から後援をもらい、県北一円の小学校の3年生から6年生に、延岡市・日向市・門川町の教育委員会を経由して約7500部を配布した。

(6)その他目的を達成するために必要な事業
@ みやざき森づくりボランティア協議会の総会
子どもの森が加盟して横山理事長が理事を務めている「みやざき森づくりボランティア協議会」の第19回通常総会は、新型コロナウイルス感染拡大防止から、書面開催となった。

A 黄色いレシートキャンペーン(7月11日)参加者:横山理事長、横山純子理事、石田理事、加納
イオン日向店にて、キャンペーンの普及発展と子どもの森のPRをおこなった。今回でキャンペーンの参加が8回目となる。支援を続けてもらっている店舗への感謝と、お客様に黄色いレシートを子どもの森に投函してもらい、子どもの森の活動を地域に知ってもらうのが目的である。
 レシート金額の1%相当額が、活動のために必要な消耗品などの商品がイオン・グループ店舗において寄贈される。子どもの森は、2006年から15年間で、約118万円を寄贈してもらっている。イオンの黄色いレシートで、子どもの森の応援をしてくださっている皆様に感謝する。

B みやざき森づくりボランティア協議会主催の「草払機安全講習と実地研修」
(9月27日)参加者:横山理事長、横山純子理事、加納
研修場所:森の学舎(子どもの森)
講師の戸郷逸洋氏の草払機の安全な使用方法については、いろいろな事故の事例などを挙げられ、参加者も緊張した面持ちで研修に参加した。昼食後、午後には運動場にて草払機の実践を行い、効率よくしかも安全に草を刈っていく方法を学んだ。

C みやざき森づくりボランティア協議会主催の「樹木観察会」
(11月1日)参加者:横山理事長、井澤理事、横山純子理事
研修場所:宮崎神宮の森(宮崎市)
県立博物館のある北側の森の観察を約2時間のコースで見て回った。黒木先生の説明を聞きながら、途中途中の木の葉を採取して名前の由来や見分け方を教えていただいた。主な樹種は、トベラ、ウバメガシ、サンゴジュ、ミミズバイ、アセビ、オオイタビ、ホウライチク、ムクノキ、ケンポナシなどがあった。

D 森の学舎の整備
1) 5月2日、4日〜6日:参加者=延べ19人
・石窯の修理(3日間)
・グランドの草刈り
・麦畑の草刈りと麦間の草抜き(ecoスクールでの麦刈りの準備)
・3年前に台風で折れたセンダン大枝の薪割
2) 8月22日:参加者=2人
・鹿威しの設置
3) 9月21日、22日:参加者=6人
・倉庫整理と草刈り
4) 12月29日:参加者=4人
・教室棟の大掃除
5) その他
・凍結により破損した屋外水道の修理(業者依頼)
・(5/2、4〜6他に)グランドの草刈り
・休耕田の草刈り(2回)
・イノシシ被害にあったビオトープの修繕

E 森の学舎の活用
 1) 訪問者
年間に延べ13人の森の学舎への訪問者があり、横山純子理事が、訪問者に子どもの森と森の学舎の説明をおこなった。少ない訪問者ではあったが、子どもの森の理解を進めることができた。
 2) 活用
・9月20日:4名のキャンプ希望者にグランドを一般開放した。その際に、五右衛門風呂に利用をしてもらった。
・9月27日:みやざき森づくりボランティア協議会主催の「草払機安全講習と実地研修」で、子どもの森会員以外で7名の利用者があった。