ホームはじめに>総会での宣言

2016(平成28)年度通常総会

今回の四季をまるごと体験ecoスクールは、昨年に引き続き5期目の開催となりました。秋深い季節に蒔いた麦も冬の寒さ厳しい季節に耐え、春暖かくなった今、大きく成長しています。そして、皆の蒔いた麦は、6期生へと引き継がれていきます。
自然環境も同じことが言えます。現在の自然は、私たちの知ることができない遠い祖先から大事に守られてきました。私たちは、その豊かな自然の中で暮らすことができています。でも今は、人間の生活を豊かにするため便利にするために、豊かな自然を壊すことが多く行われています。自然にとっては、今は寒く厳しい時代なのかもしれません。そんな時であるからこそ、私たちは、自然を大切に、必要な時には自然を修復しながら、私たちだけのためではなく、私たちの子孫のために今できることをしなければなりません。
いのちの源である食の生産が、利益を追い求める結果、化学肥料を大量に用いて大型機械を使っている現在は、季節と自然に調和していた昔ながらの農業が見られなくなってきました。畑などで採れた農作物が食卓まで運ばれるにも効率・経済性が強く求められ、結果として生産している人の顔、つくっている様子が見えにくくなっています。加工や調理した食べ物の中には、どこの国から入ってきたものかさえわからないものもあるほどです。私たちは、季節や地域を問わずさまざまな食材を手に入れることができるようになりました。しかし同時に、食べ残しや賞味期限切れでゴミとなり捨てられることも多くなっています。大量のゴミを処分するのは、自然環境へ悪い影響をあたえます。また、外国から輸入する食品は日本に運ぶために多くのエネルギーを使用しています。しかし、近くで作られた食べ物は、私たちの食卓にならぶまでに運ぶエネルギーをあまり使わず、誰がつくったものなのかもわかり、安心して食べることができます。食べ残しがあった時は、コンポストで堆肥にして自然に返すこともできます。
今、多くの種類の生物の絶滅が、かつてないスピードで進んでいます。地球の歴史の中で6度目の大量絶滅の危機とも言われています。過去の生物の大量絶滅は、地球環境が大きく変わり新たな種類の生物が生まれる節目でもありました。現在は、人間が自然を壊すことによって、生物の住む場所が無くなり生態系が壊れてきています。この多くの生物のいのちをみんなでつないでいこうという思いも込めて自然環境を大切にしていきましょう。
ecoスクールを終えた皆さん、小さなことから何か自分にできるecoな取り組みをこれからも続けてください。

《四季をまるごと体験ecoスクール文集より「四季をまるごと体験ecoスクール」を終えて」》